サーカスとクラウン①
こんにちは。クラウンを研究中のじ~にょです。今日もクラウンの歴史についてのお話です。
クラウンの歴史を辿っていくと、サーカスとともに発展してきたことが分かります。
クラウンを語るうえでサーカスは必要不可欠です。
クラウンはサーカスの中で発展していき、進化していきました。
今日は、サーカスとクラウンの歴史に関係の深い3名を中心に、クラウンの歴史をを論じていこうと思います。
それでは、どうぞ!
フィリップ・アストレイ
サーカスを誕生させた人物です。1770年に、元軍人アストレイが国王の保護を受けて、曲馬場「アストレイ・ロイヤル演劇劇場」をロンドンに開設したのが、近代サーカスの始まりと言われています。
最初のころのサーカスは、曲馬場と言われている通り、曲馬(馬の上で逆立ちしたり、馬を飛び越えたり)と軽業、綱渡りの演目が演じられました。
そして、アストレイのサーカスではコミカルな曲馬師が登場しました。
馬に乗って出てきては落ちる。乗っては落ちるを繰り返して、笑いを取っていました。
その後、アストレーから、フランコニーにサーカスが伝えられてサーカスは進化していきました。フランコニーの兄弟も道化役を演じていました。
休憩時間にシェフ・ド・ピスト(座長)にいちゃもんをつけ、馬に乗ろうとするがのれず、お客さんの笑いを誘いました。
また、曲馬が中心であったサーカスは、生命をかけたような演技でハラハラさせるものが多かったため、その緊張をほぐすために次第にクラウンがもちいられいきました。
サーカスには幕がないため、演技をつなぐ役割も与えられいきました。パリでは「シルク・オリンピーク」というサーカス場が作られました。ここではジャン・バチスト・オリオルが現れ、笑いを作っていきました。
笑いを作るだけでなく、サーカス全体の流れをスムーズに進行させるという、幕間をつなぐクラウン芸を確立させていきました。
元来、パリではサーカスに出てくる道化の事を「clown」(クルン)と呼んでいました。これは、もともとは、馬に乗って出てくるこっけいな者の事を指していました。はじめは、クラウンも曲馬をやってたのです。
しかし、サーカスでの役割が変わるにつれ、特殊な技術をもたないものでも雇うようになり、「クルン・パルール」という喋るクラウンが生まれていきました。
クラウンには決まったメイクと特殊な衣装、いわば制服がありました。だいだいは、ダブダブの衣装、太いズボン、トンガリ帽子、顔は真っ白に塗り、赤い丸鼻です。
グリマルディ
最初の頃のサーカスクラウンに影響を与えたと言われているのが、ジョゼフ・グリマルディという人物です。グリマルディ(1779~1837)は、ロンドンで人気無言劇役者、クラウン・ジョーイ(Clown Joey)として活躍していました。グリマルディ自体はサーカスに出演した事はなかったと言われていますが、サーカスに出ていたクラウン達がグリマルディの真似をしていきました。
現代でもグリマルディが作り上げたメイクのイメージが引き継がれていたりしていて、その影響力の大きさが分かります。
ちなみに毎年2月の最初の日曜日に、ロンドンの東部で、「クラウンズ・インターナショナル」とうイベントがあります。これは、たくさんのクラウンが教会に集まり、グリマルディの功績を讃えるという催しです。
現代にも大きな影響を与えており、グリマルディは「クラウンの祖」とも呼ばれています。
トム・べリングス
イギリスで発祥したサーカスは、フランスなど近隣諸国に広がり、ヨーロッパ、ロシア、アメリカへと広がっていきました。
そして、サーカスとともにクラウンも、その国々で発展していきました。
はじめは一人で話していた道化にも相手役が登場してきました。その相手役がオーギュストです。
※オーギュストについては過去の記事を参考下さい。
ページ下部にリンク張っておきます。
オーギュストはトム・ベリングスという人によって1864年に創造された、といわれています。
それまでのクラウンが白いメイクの白いコスチュームなのに対し、オーギュストは、赤毛のかつらに大きな赤い鼻、大きなネクタイにダボダボのズボンというスタイルでした。クラウンはオーギュストと関係性を作ることによって新たな笑いのスタイルを作っていきました。
今はこの、オーギュストスタイルのクラウンが一般的であることから、トム・べリングスの功績も非常にクラウンの歴史にとって大きなものとなっています。
その後、クラウンの芸も多様化していき、話芸や楽器、動物芸などが用いられていきました。
また、幕間を繋ぐ役割であったクラウンの芸も演目の一つとなっていきました。
さてさて、こうして発展していったサーカスとクラウンですが、その後、ヨーロッパのクラウンとアメリカのクラウンでは、少し性格が変わっていきました。
これは、サーカスの広がり方が関係しているような気がします。
また、近いうちにヨーロッパとアメリカのクラウンの違いを論じていきたいと思います。
今日は、ここまで。
それでは!
↓オーギュストについての説明記事