チャップリンの初期のころの作品集
こんにちは。
じ~にょです。
今日は、チャップリンの初期のころの短編集を見たので、そのレビューを上げていきます。
見たDVDはこちら↓
正直、少し高めの商品ですが、初期のころのチャップリンの映画がたくさん詰まっていて
私は数年前に迷わず購入してしまいました。
(今、アマゾンで見たところ、もう新品では売ってないみたいでしたね。中古がいくつか出回っているようですが)
じ~にょはこのDVDを何度も何度も見返しています。
(もう元は取れたかな?)
チャップリンは1914年に映画デビューをしました。
初期のころは、キーストン社という映画会社にいて出演していました。
DVDには、キーストン時代の30本の短編作品が入っていたので、10本ずつ3回に分けて取り上げていきます。
本日はチャップリンに興味のない方や映画を見てない方は、よく分からない内容になっておりますので、読み飛ばして下さい。
それでは、どうぞ!
1914年 成功争い MAKING A LIVING
記念すべきチャップリンの初演作。
若い、、、。
ちょっとスマートに見えますね。
格好も後半の浮浪者スタイルと違い、こぎれいな感じです。
「ちょびヒゲ」は健在です。
チャップリンは詐欺師の役という事でヒゲが良い感じで怪しさを増しています。
動き方は、すでに可愛いです。愛くるしいです。
笑い方は、もうすでにチャップリンの笑い方が出来上がっています。
ストーリーは、ちょっと分かりにくいです、、、
前半は指輪をだまし取ったチャップリンのお話で、後半は新聞記者になり手柄を奪い取るという内容。
正直、展開としては無茶苦茶な感じもしますが、話なんかより動きを楽しむコメディ作品という事ですね。
街中を2人で追いかけっこするドタバタは、今後の作品の礎という感じです。
1914年 ベニスの子供自動車競走 KID AUTO RACES AT VENICE
山高帽に小さめの燕尾服。
杖を持ったチャップリンスタイルの第一弾となった作品。
歩き方は、ゆっくるで歩幅も大きく、ちょこまかと動き回るという感じではないです。
まだ、自分たちの知るチャップリンのキャラクターではないですね。
内容は、『水曜日のダウンタウン』という番組で、
「中継先に現れたヤバめの素人のさばき方で芸人の力量まるわかり説」
というのが以前にありましたが、まさにそれ。
レース会場にて、ひたすらカメラに入ろうとするチャップリン(素人)と追い出そうとする撮影隊との戦い。
現代で見ても、面白いです。
チャップリンのくどさに笑ってしまいます。
最後のチャップリンのアップの顔は貴重。
この頃の作品に珍しく追いかけっこもない。
1914年 メーベルの奇妙な苦境 MABEL’S STRANGE PREDICAMENT
当時の女性コメディアンの最高峰メーベル・ノーマンドが主人公の作品。
チャップリンは酔っ払って、女性をナンパしまくる役で登場します。
8分ほどの短い作品ですが、犬が上手く絡んでいたり、すれ違いがあったり、面白い展開がドンドン起こります。
盛りだくさんです。
先ほどの「ベニス」の作品より前に撮影されており、小さめの燕尾服を着たチャップリンスタイルの本当の第一作目はこちらです。
このスタイルに手ごたえを感じて、後のチャップリンへと進んでいったのでしょう。
1914年 夕立 BETWEEN SHOWERS
傘をめぐるドタバタコメディ。
チャップリンの笑い方はかわいい。
この作品から、すこしちょこまかと動き始めました。
かわいらしいです。
警察官が出てきたり、石を投げたり、池に落ちたりとキーストンコメディと言われるギャグが断片的に見られます。
まだまだ作品もチャップリンの動き事態も小規模な感じがしますが、徐々に基礎ができあがっていく感じがします。
1914年 新米活動屋 A FILM JONNIE
映画の撮影所に紛れ込んだチャップリン。
映画の撮影の中で起こることを現実に起きていることと勘違いして大慌てになるチャップリン。
撮影所の慌ただしさとチャップリンのドタバタが上手くマッチしています。
登場人物も多く、最後は消防隊も登場して水をぶっぱなす。
エンターテイメントの規模も徐々にあがってきている。
チャップリンの細かい仕草も見られようになってくる。
最後に水をかけられたチャップリンのギャグが面白い。
ダチョウ俱楽部です。
1914年 タンゴがもつれる TANGO TANGLES
チャップリンは浮浪者スタイルでなく、素顔の青年で登場する。
格好は違うが動きはチャップリン。
3人の男性が一人の女性をダンス会場で奪い合うという内容だが、少しストーリーが分かりづらいような、、、
ファッティ・アーバックルという当時の人気コメディアンも登場する。
話は分かりにくいが、チャップリンやアーバックルの動きや立ち回りは楽しめる。
余談だが、やはりチャップリンの素顔は、孫でありサーカスパフォーマーや役者として活躍中のジェームス・ティエレに似ている。
1914年 好みの気晴らし HIS FAVORITE PASTIME
チャップリンの酔っ払った演技が堪能できる映画。
後に日本でも「アルコール先生」というあだ名がついたりするが、その先駆けのような作品です。
突然、人をたたいたり、他人の家に上がり込んだりと今までは不条理だと思うギャグや展開もありましたが、
今回は酔っ払っているという事で少しその部分が正当化されているような気がします。
人がドミノ倒しに倒れて行ったりするギャグを取り入れたり、展開のあるカメラワークがあったり、少しエンターテイメントとしての進化も感じられます。
1914年 幻燈会 THE STAR BOARDER
残っているフィルムの状態が良くないのか、少し映像が見づらいです。
ストーリーが強めで、チャップリンは下宿先の女主人に惚れられるという役どころ。
そのためか、いつもよりもチャップリンのギャグは少なめ。
チャップリンらの不倫関係を少年がカメラで撮り、その夜に開かれた幻燈会で暴露するという展開。
最後は、ひっちゃかめっちゃかの大乱闘。
この大乱闘は、今までの映画の中では一番派手。
じっくりと話が進んでいき、最後に爆発したという流れです。
大乱闘時のチャップリンの動きは流石。
映画の出演を重ねるごとに動きが面白くなっていくのが感じられる。
持ち前の身体能力と探求心が経験と重なり、進化をしていっているのでしょう。
1914年 メーベルの身替り運転 MABEL AT THE WHELL
セネットとメーベルが監督の作品。
主演はメーベル。
チャップリンはゴリゴリの悪役で登場。
ストーリーとしては、チャップリンによって監禁された恋人の替わりにメーベルがカーレースに出場。
チャップリンの邪魔を交わしながら、レースを戦っていくという内容。
やはりチャップリンの悪役ぶりに目がいく。
今までのキャラクターとは、また一味違って、悪に徹する。
だが、そこはチャップリン。
悪くて威張っているやつが不幸な目にあうという事で上手に笑いを誘っている。
この悪役ぶりが、後の『独裁者』を演じているチャップリンにオーバーラップする。
それにしても、どんな役をやっても上手だし、上手く笑いを作っていくなぁ。
1914年 恋の20分間 TWENTY MINUTES OF LOVE
フィルムの状態が良くなく、見にくい所も多いのですが、バストアップで映しているところも多いため表情が見やすい。
チャップリンは、浮浪者スタイルで登場。
女性好きで、悪いことをするという初期のころに作り上げたチャップリンのスタイルが見られる作品。
短い作品だが、分かりやすいストーリーで動きがあって面白い。
チャップリンも片足でトントンする動きや後ろ蹴りなど、「これぞ!」という動きが見られ、かわいい。
最後は、たくさんの人数が池にドボーンと入っていく。
10作品を見て、チャップリンの動きがどんどん面白くなっていくのを感じます。
キャラクターには、まだ迷いのようなものがありますが、どの役をやっても、さすがチャップリンです。
気に入ったギャグや受けたギャグが残っていき、映画としての見ごたえも増していっているのが分かります。
最初『成功争い』が2月2日に公開され、10作目の『恋の20分間』は4月20日に公開されています。
わずか2か月あまりで10本の映画を作ったことにまず驚き、
チャップリンの短期間での進化にも驚かされます。
それでは、次回はキーストン時代の次の10本をレビューしていきます。
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