チャップリン作品集③

こんにちは。

喜劇王チャップリンの作品を1から見直しているじ~にょです。
チャップリンが最初に所属していたキーストン社のころの映画は約30本あります。

本日は、20本目から30本目のご紹介です。

もっと前の作品が見たい方は、最後にリンクを貼りますのでそこからご覧ください。

自分がチャップリンを見た感想やレビューなどを載せいていて、ネタバレのような事も書いてありますが、
ネタバレがあってもこの頃の作品は十分楽しめますし、白黒でストーリーも分かりにくいところもあるので、
むしろ、このブログを見て頂けるとさらに楽しめるのではないとか思っています。

それでは、ご覧ください。

1914年 男か女か THE MASQUERADER

初期の頃、よく用いられた映画撮影所の設定と生涯で3回だけ挑戦したという女装役の掛け合わせ。
チャップリンの女装は美しい、、、美しいのにタバコ吸ったり、蹴りをいれたり、野蛮なところがギャップがあり笑ってしまいますね。

ドタバタもホントの初期のころはただドタバタするだけだったように見えるが、この作品では一つひとつのドタバタが見やすく展開されています。
それぞれのギャグが面白くていちいち関心しながら見ていました。

個人的な見どころは、一瞬だけ披露するマジックと帽子を使ったギャグ。

1914年 チャップリンの看護人 HIS NEW PROFESSION

足を怪我したおじさまの看護をすることになったチャップリン。

車いすを引いて看護をするのだが、ケガしている足をたたいたり、車いすを遠くまで転がしたり、やりたい放題。
いわゆるブラックコメディ。
今の時代なら完全アウトな内容ですね。

ミスタービーンもたまにこうゆうコメディを演じていましたが、チャップリンの時代からこの手のコメディは笑いに繋がるという事ですね。

途中からお酒と女性も加わり、チャップリンのギャグも加速していきます。

桟橋の上に車椅子が行くシーンは、ちょっとドキドキ。
のちの黄金狂時代にも出てくるようなシーンでした。
桟橋の上から警察官がダイブしますが、高いというだけで迫力が増しました。
あの方は大丈夫だったのだろうか?

心が温まるようなほんわかコメディをしたと思えば、こんなブラックな作品もやることができて作風の幅を感じました。

1914年 二組の夫婦    THE ROUNDERS

アーバックルとダブル主演のような感じで出演した作品。

大きな体のアーバックルと小さな体のチャップリンがお互いの良さを引き出しあってもの凄く良いコンビに感じられる。
きっと即席で組んだのにまるでローレル&ハーディのよう。
このままコンビとして活動していても、歴史に残るようなコメディアンになっていたのではないかと感じる。

コンビならではの対比のギャグだったり、繰り返しのギャグだったり、チャップリンの単体のギャグとは一味違った笑いを楽しむことができる作品。

ホテルやバー、公園など似たような設定はたくさんあったが、アーバックルとコンビというだけで新鮮なものに映りました。

1914年 新米雑役夫  THE NEW JANITOR

新米の雑用係でヘマばかりしているチャップリンが、金庫からお金を盗もうとした上司をつかまえるという勧善懲悪な少年漫画のようなショートストーリー。

ストーリー重視でいつものようなドタバタのギャグは少なめだが、しっかりと楽しむ事ができる。

後のチャップリンはストーリー性もかなり高い作品が多く産まれてくるが、その原点が垣間見えたような作品。

ヘマばかりしている雑用係というキャラクターを表すのにギャグが効果的に使われているし、乱闘シーンにもチャップリンのギャグがしっかりと使われている。
酒も女性もあまり絡んでこない今までとは少し違った雰囲気を楽しめる作品です。

1914年 恋の痛手 THOSE LOVE PANGS

終始ドタバタの喜劇。
前作の新米雑役夫と比べるとストーリー性はまったくない。

多少、強引にも感じる展開だが、それは割り切って、その場その場で起こるギャグを楽しむ作品。

下宿先の女主人に恋心を抱くチャップリンだが、ライバルに負けてしまい恋が上手くいかない。
その腹いせに八つ当たりとなって、トラブルメーカーになり、ドタバタを引き起こし、笑いを引き出していく。
初期のころのキーストン社らしいコメディです。

個人的な見どころは、チャップリンのステッキの扱い方。

1914年 チャップリンのパン屋 DOUGHT AND DYNAMITE    

初期の短編映画の中ではヒットした作品で、名作の1本とも言われています。

パン屋をモチーフにしたスラップスティックコメディ。
シンプルなシュチュエーションで唐突なドタバタ劇がなく、パン屋にあるものを上手く使い笑いを生み出している。
ほぼパン屋の中だけで、物語が展開していくので、舞台なのでも上演できそうな作品。

後のドリフのような笑いで、この時代にもうこんな笑いを作っていたのかと感心しました。

小さな笑いから、大きな笑いになっていくので、エンターテイメントとして面白い。
最後は、ダイナマイトが爆発するというスケールの大きなオチの中に細かい伏線がはられている。

チャップリンの動きもかわいらしく、パン屋の姿も愛嬌がある。
ラストシーンもまた良い。
見終わったあとはスッキリした気分になります。

1914年 アルコール先生 自動車競走の巻 GENTLEMEN OF NERVE

自動車レース場に勝手に忍び込んだチャップリン。

マックスウェン(大きなヒゲ男)やチェスター(小さなヒゲ男)、メーベルなどキーストン社時代のチャップリン映画によく出演した人物がそろって登場しているのは、ちょっと楽しい。

自動車を巻き込んでのドタバタがあるのかなっと思いましたが、観客席で起こる小さなドタバタでした。

タイトルにアルコール先生とついた最初の作品。
チャップリンは日本では当初、酔った役柄も多く、『アルコール先生』と呼ばれていました。

1914年 逢いびきの場所   HIS TRYSTING PLACE 

他人のコートを間違えて着て帰ってしまうとういう日常的な出来事から、夫婦喧嘩が巻き起こり、ドタバタになり笑いが起こっていく。

最後は、和解してチャップリンは誤解が解けてハッピーエンドになるというちょっと珍しいオチ。
短い作品ながらも、構成がしっかりしていて、なんだか少しだけ心が温まるようなお話。
赤ちゃんをキャストとして使うのも今までの作品の中ではなかったのではないか。

1914年 メーベルとチャップリン GETTING ACQUAINTED

二組の夫婦が登場。
それぞれの妻をナンパしてしまう夫達。

そこに警察官も絡んできて物語が展開していく。

公園でのロケ、警察官が登場するのでキーストン社のドタバタコメディがはじまると思いきや、ストーリーで見せていく展開に。

細かいスラップスティックはあるものの、池の中に落ちるとかはなく、初期のチャップリン映画で同じようなシュチュエーションでも違う展開を見せていくのが面白い。

チャップリンの作品を向上させていこうという気持ちが伺える。

1914年 アルコール先生 原始時代の巻 HIS PREHISTORIC PAST    

原始時代にタイムスリップするというセンセーショナルな設定。
正直、この時代からこんな発想があるとは思わなかった。

チャーリーは女性をくどいたり、喧嘩をしてドタバタしたりとすることは変わらない。
お酒も飲んでないのに、なんでアルコール先生なんだろうと思ったら、最後に判明。

ちょっとしたオチはかわいらしくて好きです。
もの珍しい作品。

まとめ

キーストン社時代の30作品を見ていきました。
最初はギャグを詰め込んだドタバタな作品が多かったのですが、徐々にストーリー性も見られるようになっていきました。

そして、設定にも工夫がみられ、パン屋になったり、原始時代にいったりと様々なシュチュエーションが見れました。

チャップリン自身のキャラクターも固まってきており、動きがどんどん洗練されていくのが分かります。

そして、たった1年でこの進化をとげていったと言うのが一番、すごいことだと感じます。

初期のころは10分前後の短編映画ばかりですが、ここで培った基礎が、後の大作ばかりの長編映画に繋がっているのは間違いのない所です。
やはり、コツコツと努力を積み重ねたからこそ、喜劇王ができあがったのだと感じました。

過去のブログ↓

三大喜劇王について

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