クラウンのメイク~ホワイトフェイスについて~
本日は、クラウンのメイクのお話です。
記事を書かせて頂きますのは、現役のクラウンとして活動中のじ~にょです。
以前にクラウンのメイクは3種類に分けられるという事を書きました。
見ていない方は、まずはそちらからご覧ください。
↓以前の記事に加筆しました(読みやすくなったと思います)
本日は、その中でもホワイトフェイスにスポットを当てて記述していきます。
ホワイトフェイスはクラウンの歴史の中でも、もっとも古いメイクで伝統があります。
しかし近年では、ホラー映画の影響で怖いものというイメージを持っている方も増えてきてしまっています。
(オーマイガー!(悲))
決してクラウンはそのようなことはなく、とても楽しい存在なので、このブログを読んで悪いイメージを払拭して頂ければ良いなぁと思っています。
それでは、細かく書いていきます。
ホワイトフェイスの歴史
ホワイトフェイスの歴史は、古く古代のギリシアの演劇にルーツがあると言われています。
その流れを中世ヨーロッパの時代の宮廷道化師が引き受けて、イタリアの即興仮面劇のコメディア・デラルテへと繋がっていきます。
コメディア・デラルテでは、代表的なキャラクターであるピエロやコロンビーナがホワイトフェイスのマスクを着用していました。
更に、その流れを受けハーレークィーンやクラウンがまたホワイトフェイスを引き継いで、メイクとして進化していきました。
「クラウンの祖」と言われているグリマルディもホワイトフェイスでした。
ホワイトフェイスのメイクや衣装
メイクはベースが白塗りです。
口や目の周りにはシンプルな赤色や黒色を使用し、鼻も付けます。
髪の毛を隠して、ウィッグも着用できます。
衣装は、伝統的にはワンピースを着用し、それぞれのキャラクターに合わせて装飾品を付けていました。
現代ではその制約は薄くなり、自由に何でも身に着けることができます。
衣装やウィッグは色鮮やかなものが多いです。
ホワイトフェイスのメイク用品↓
ホワイトフェイスのキャラクター特性
ホワイトフェイスの性格は、クラウンの世界ではリーダー的存在です。
その場を取り仕切ったり、間違いを正していきます。
他のクラウンよりエレガントで賢く振舞おうとしますが、所詮はクラウンなのでおバカさんです。
日本人的に言うと、お笑いでいう「ボケ」と「ツッコミ」の「ツッコミ」タイプです。
近年では、ホワイトフェイスの歴史的なキャラクター特性に縛られず、それぞれの性格特性を活かしたキャラクターで演じていくことが多いです。
ホワイトフェイスの分類
ホワイトフェイスもさらに細かいメイクの方法によって数種類に分類することができます。
海外のサイトなどを見ていると分け方が微妙に違っているので、何が正確な情報なのかは分かりません。
ここでは「クラシックホワイトフェイス」と「コメディホワイトフェイス」の2種類に分けて説明させて頂きます。
クラシックホワイトフェイス
ホワイトフェイスなので、 白く顔を塗るのは共通しています。
「クラシックホワイトフェイス」は、少しの赤と黒しか使わずにクラウンノーズもつけないシンプルなメイク。
白いキャップを被り、髪の毛を隠します。
白い手袋をして、肌も見せてはいけません。
美しくエレガントである必要があります。
歴史的に古いタイプのクラウンで、European Whiteface(ヨーロピアンホワイトフェイス)とも呼ばれることがあります。
「クラウンの祖」といわれるグリマルディがこのスタイルでした↓
コメディア・デラルテに出てくる、ピエロやハーレークィーンもこちらに分類されます。
クラシックホワイトフェイスよりも、もう少しカラフルで、元気なホワイトフェイスをストレートホワイトフェイスとしている海外のサイトもあります。
コメディホワイトフェイス
「コメディホワイトフェイス」は、クラシックホワイトフェイスよりも、さらに色を多く使い、クラウンノーズも付け、ウィッグも被るのが一般的です。また、キャラクター的にもクラシックホワイトフェイスよりも明るく元気に振舞います。
ストレートホワイトフェイスを、もっと強調した感じです。
Grotesque Whiteface(グロテスクホワイトフェイス←グロテスクって「怖い」意味じゃなくて、「こっけい」って意味合いの方。)なんて呼ばれることもあります。
さらには、Neat Whiteface(ニートホワイトフェイス←ニートは「きちんとした、こぎれいな」っという意味)のホワイトフェイスと分類されるクラウンやマイム(MIMe)と表現されるホワイトフェイスも存在します。
マイムと呼ばれるホワイトフェイスは、しゃべることができずボディランゲージや顔の表情をたくさん使用します。
ホワイトフェイスは元々は美しくエレガントなメイクやキャラクター特性であったのですが、時代が進むにつれて色やキャラクターが明るくなっていったことが分かります。
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