コメディア・デラルテとクラウン
このブログは、コロナウィルスが蔓延中の2020年3月に記述しています。
学校も休校になり、大変な世の中です。
早く終息に向かってほしいものですね。
じ~にょも出演予定だったイベントが中止になり、元気と時間が余っています。
それならばお家で勉強しようと思い、クラウンの事を学んでいる最中です。
そんな訳で、今日も学んだことを書いていきます。
本日のテーマはコメディア・デラルテです。
クラウンの歴史をたどっていくと、「コメディア・デラルテ」という即興劇に行きつくことがあります。
コメディア・デラルテとは何なのか?
クラウンとはどんな関係があるのか?
を中心にこのブログでは記述していきます。
それでは、ご覧ください!
コメディア・デラルテとは
16世紀にイタリア北部で誕生した、仮面をつけた即興劇です。
その後、ヨーロッパの国々に広がっていきました。
王様の前で、その王を讃えるお芝居をしたり、町から町を巡って、劇を披露し、お金を集めて活動していました。
歌やジャグリング、アクロバットなども演じていました。
演じ手は、決まった仮面をかぶりお芝居を進めていきます。
仮面にはそれぞれ、ストックキャラクターという性格特性があります。
演者は、そのキャラクターの役割に沿って、お芝居をしていきます。
お芝居は即興です。
ただ、完全に即興だと、グダグダになってしまう事もあるので(笑)、いくつかの簡単なストーリーは決められていました。
ストーリーをたどりながら、その場所や季節、観客に合わせて、物語は進んでいきました。
ストーリーは宮廷に関することも多く、王の前で演じられるときは、王を賛美したものであったが、街で演じられるときは、王様や宮廷を風刺したものが人気を集めました。
キャラクターの中で、けた外れの人気の役が、アルレッキーノ(フランスではアルルカン、イギリスではハーレークイン)と呼ばれる役です。
時代によってキャラクターの呼び方が違っていたり、国によって新しいキャラクターが登場したりするのも、コメディア・デラルテの特徴です。
18世紀に入ると、人気が停滞していきますが、その後も、パントマイムや人形劇のなかで愛され生き延びていきます。
コメディア・デラルテとクラウン
コメディア・デラルテには100を超えるストックキャラクターがあると言われています。
本日は、後のクラウンに影響を与えたと言われているキャラクターをいくつか紹介していきます。
ザンニ
初期の道化役。
年寄りの召使いキャラクター。
後に、キャラクターが第一の型と第二の型に分かれていく。
第一の型は、動物的で粗野で攻撃を誘発する道化役。(プルチネッラ)
第二の型は、知恵を武器に変幻自在の変わり身を見せ、攻撃的。(アルレッキーノ)
白いだぼだぼの衣装を着用。
アルレッキーノ
コメディア・デラルテの中では、中心的なキャラクター。
はじめはペテン師、道化役として登場しましたが、次第に劣性を削ぎ落としていき、ヒーロー的な役割になっていきます。
18世紀後半、フランスの民衆劇では、二枚目、伊達男、超能力者、皇帝など優位な役割を演じていき人気役に。
一般的なアルルカンのコスチュームとしては、黒い仮面。
スラップスティックという、音のなる棒を持っています。
衣装は、三色(赤、緑、青)のパッチワーク色彩の菱形模様。
この衣装は、クラウンの衣装の起源とされています。
プルチネッラ
ハーフマスクという顔が半分ほど隠れる黒いマスク。
細く長い帽子に白色の衣装。
気さくでだまされやすい道化役。
イギリスでは、「パンチ」と呼ばれて、後の人形劇にも登場する。
ピエロの起源とされている説もある。
ペドロリーノ
イタリアの農民がモデル。
こっけいな召使役で、とぼけた芸風。
白い衣装を着用している。
ペドロリーノがフランスに伝わり、ピエロになったとする説もある。
ピエロ
フランスの農民がモデル。
下僕として登場。
アルレッキーノが道化性を失い、劣位の道化役が必要になり作られた。
プルチネッラかペドロリーノが起源とされている。
コスチュームは、大きな襟と大きなボタンの白い衣装。
女性形はピエレット
ピエロに関しては、以前に書いたブログも見てね。
まとめ
コメディア・デラルテは、喜劇で即興性が高い事から、海外のクラウンでは、トレーニングの一環として、やっている者も多いです。
自分も行ったこともありますが、マスクは視界が狭くなったり、キャラクターで居続けることが難しかったりと、困難なトレーニングのひとつであった事を覚えています。
とはいえ、普段の自分では演じることのないキャラクターになりきったり、新たな発想がでてきたりと、ためになるトレーニングでした。
日本では馴染みのないジャンルですが、たまに上演されていたりもします。
機会があったら、ぜひ触れてみてください。
それでは!