宮廷道化師について
こんにちは。
クラウン(道化師・ピエロ)について研究中のじ~にょです。
今日は久しぶりにクラウンの歴史について書いていきます。
今までも何度かクラウンの歴史を書いているので、気になる方は過去のブログも見てくださると嬉しいです。
本日は、中世のヨーロッパのお話です。
それでは、ご覧ください。
宮廷道化師とは
中世のヨーロッパで宮廷のお抱えとして雇われていたクラウン(道化師)の事を言います。
王や貴族などの権力者に仕えていました。
何故、宮廷でクラウンが存在したかというと、エンターテイメント性で王や宮廷の人々を楽しめるためという側面もありましたが、古くから宮廷では、フールと呼ばれる精神や肉体に障害を持つものを魔除けとして抱える習慣がありました。
宮廷道化師には、エンターテイメント性を持つものと精神や肉体に障害を持つものの2種類が存在しました。
どちらも身分が低くペットのように扱われていたと言います。
エンターテイメント性を持つものの中には、重宝されるものもおり、歌やアクロバットを披露したり、時には冗談を交えて王に助言などを与えたりしていました。
権力者はどれだけ良い宮廷道化師を抱えることができるかが財産となり、贈り物として宮廷道化師が貢がれることもありました。
14~15世紀に宮廷道化師の制度が英国で確立し、フランスでも一時、シャルル五世とう王が数人の宮廷道化師を抱えていたという記述も残ってします。
しかし、18世紀末に宮廷そのものの崩壊とともに消滅していきました。
トランプでキング(王)やクイーン(女王)とともに、ジョーカーとして宮廷道化師が描かれるのは、トランプが宮廷をモチーフにしているからであり、ジョーカーも切り札のような、かき乱すような使われ方をするのは、道化師の性質をよく表しています。
シェークスピアの演劇でも宮廷道化師が登場してきたり、以前に記述したイタリアの即興仮面劇「コメディア・デラルテ」にも大きな影響を与えました。
宮廷道化師のコスチュームは、後のクラウン達に引き継がれていき、今でも残っているところもあります。
クラウンの事を日本ではピエロという人たちもいますが、ジョーカーと呼ぶ国もあります。
また、宮廷道化師の別名として、ジェスター(jester)や宮廷愚者と呼ばれることもあります。
宮廷道化師のコスチューム
宮廷愚者の伝統的なコスチュームとして、まだら模様の上衣に耳と鈴のついている帽子や頭巾をかぶっています。
また、手には剣や笏杖といわれる杖のようなものを持っていました。
伝統的なフールの衣装としては、鈴で縁どったジャケットに半ズボンかタイトなズボン。鈴つきの帽子、時には肩マントを付けていました。
まとめ
現代において、成功を収めた宮廷道化師は英雄のように扱われたり、ヒーロー的な側面を持って語られたりもします。
その一方で、その話は作り話で宮廷道化師にそのような役割はなく、後から作り上げられた逸話であるとする説もあります。
日本でも幇間(ほうかん)と呼ばれる芸を見せて主人の機嫌をとる役割の人たちが存在しました。
太鼓持ちとも呼ばれて、豊臣秀吉に仕えた曽呂利新左衛門という人物が有名である。
さて、これまで数回に渡り、記述してきましたクラウンの歴史についてですが、次回はさらに紀元前までさかのぼり書いていきたいと思います。
それでは、また次回!